小堀鐸二研究所

制震/免震

いつどこで発生するかわからない不確定な地震動に対して、建物の安全と機能を守り快適な居住環境を作るため、耐震構造を超える革新的構造技術として、創設者小堀鐸二が提唱したのが「制震構造」です。

当社ではこれまで世界に先駆けて各種の制震システムを実用化し、多くの装置を超高層建物、既存建物に適用しています。

創設者 小堀鐸二の制震五原則

製品名をクリックすると、製品の紹介ページにリンクします。

1.地震力を伝達させない 地震時に浮上(磁気浮上等)
実験室レベルで開発中の技術
一部の戸建て住宅実用化
2.地震動の主勢力を避ける
(免震)
適用多数
直下型地震の応答低減効果絶大
3.非定常非共振系とする 適用例あり
4.制御力を加える DUOX TRIGON風揺れ対策に適用例あり

5.エネルギー吸収装置を組込む
(高性能オイルダンパ)
HiDAM 高層マンションを中心に適用多数
HiDAX 超高層事務所ビルを中心に適用多数
      (HiDAX-s,-u,-e,-Rと進化中)

5.エネルギー吸収装置を組込む
(鋼製弾塑性ダンパ)
ハニカムダンパ事務所ビルを中心に適用多数
イクステンダム中低層ビル新築・改修向け
オクトブレース中低層ビル中心に適用拡大中

サンシャイン60の制震改修設計

サンシャイン60

サンシャイン60は、建設当時には想定していなかった長周期地震動を含む大地震に対して、揺れ幅と構造部材の損傷を低減することを目的として、制震補強を実施することになりました。
長辺方向では、建物コア部に配置されたスリット壁間に位置する境界梁に変形が集中し累積損傷が過大となることが予想されたため、梁中央部に鋼製弾塑性ダンパを取付け、梁端部に先行して降伏させることで梁端部損傷の低減を図りました。一方、ダンパ部分への変形集中によりスラブの損傷が予想されたため、ダンパの変形を制限する変形制御ダンパとしました。短辺方向では、両妻面にあるバルコニー外壁部のスペースを利用し、高性能オイルダンパHiDAXを設置しました。また、短辺方向外周部では、既存梁の損傷が想定されるため、一部の梁中央にハニカムダンパを設置しました。いずれのダンパも共用部に配置することで、テナントへの影響を最小限に留めています。

南海トラフにおける東海・東南海連動地震(Mj8.3)を想定した長周期地震動や首都直下地震、2000年に規定された告示波に対しても耐震安全性を満たしていることを確認し、2014年1月に日本建築センターの性能評価を取得しました。


免震住宅「テラス渋谷美竹」の構造設計・監理

テラス渋谷美竹

1995年の阪神・淡路大震災以降飛躍的に増えた免震マンションは、2011年に発生した東日本大震災の影響により、更に増加する傾向が見られます。
「テラス渋谷美竹」は渋谷の一等地の建替え事業(共同住宅+事務所+店舗)であり、地上3階と4階の間に免震層を設けることにより、高い耐震安全性を確保しました。当社は建築設計業務を受注した㈱UG都市建築から構造設計に関する基本設計、実施設計、構造性能評価、工事監理の業務委託を受け、実施しました。

この建物の構造設計においては次のことに留意しています。

  1. 免震により4階以上の階の耐震性を高めることはもとより、3階以下の免震層下部についても4階以上の階と同等な耐震性能へ向上させ、建物全体の耐震安全性を確保しています。
  2. 免震装置として建物荷重を受ける柱部分に鉛プラグ入り積層ゴム24基と天然ゴム系積層ゴム9基を配置し、さらに免震層上下の梁部分に地震動の揺れを抑える減衰性能に優れたオイルダンパ16基を配置しています。